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引籠世界の探偵事件簿ZERO -Fight for the Past- (焼肉万歳 -Yakiniku Oh! Yeah!-)

ゲーム情報

サークル : 焼肉万歳 -Yakiniku Oh! Yeah!-
発売日 : 2006.4.7
ジャンル : 本格引き籠もり推理AVG

引き篭もりの名探偵「日置小茂朗」とメイドロボ「ほーちゃん」戦闘のプロ「デルフィ」たちが活躍する本格引き篭もり推理AVG「引籠世界の探偵事件簿」の第2作。
ただしこの作品は時系列的には第1作の「マリア様が見てた殺人事件」よりも前に起こった事件となっている。
第3作の「D.C.消失事件」の一年前という設定らしい。

Story

以下焼肉万歳さまHPより引用

引き篭もりの探偵、日置小茂朗は、ドイツ警察から、まるで冗談のような依頼を受ける。

「世界最強の殺人鬼を捕まえてくれ!」

その殺人鬼に世界中の有名な軍人や格闘家たちが次々と殺害されているらしい。

出番だ、小茂朗!
小茂朗は開発途上の島に、助手のメイドロボである「ほーちゃん」を向かわせる。

洋館で起こる奇怪な事件、傭兵の飛燕の影……そして、血の惨劇!
――すべての謎を解き明かせ!

 

こんな人にお薦め

  • おバカキャラを愛するあなた
  • 推理ゲームが好きなあなた
  • 燃える展開が好きなあなた

独断の評価

評価はあくまでも独断です。当然、発売年代も考慮しています。
SからEまでの6段階評価です

グラフィック A クセはあるが、印象的
音楽 B それなりにマッチしている
システム A 捜査フェイズ、推理フェイズなどアイデアはよいが、推理ゲームとしては改良の余地あり
キャラ S キャラたってます。ほーちゃんサイコー!
ハマリ度 B ハマリ要素の仕掛けはあり
オススメ度 A  
備考 シリーズ第二作だが、時系列的には一番先。これから始めてもいいと思うが、第一作が少々ちゃちに見えてしまうかも。

 

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レビュー

ほーちゃん! ほーちゃん!

というわけで、ほーちゃんに夢中です。

最初は(というより結構あとの方まで)ただのおバカキャラだと侮っていた!
ほーちゃん!
つよきすの「蟹沢きぬ」以来ですな。
これだけキャラが気に入ったのは。

どうもわたしは「愛すべきバカ」系に弱いようであります。
彼女の何でも語尾に「?」をつけるバカ発言の数々。
執事さんはあくまでも「羊さん」だと貫き通す頑ななまでのバカさ加減。
どれだけポンコッツ扱いされてもにこにこ笑っているその精神力。

まさしくバカ一代!!
パンの耳をあげよう!!

でも、彼女は純粋だ。
ロボットだから当たり前なのかも知れない。
でも、やはりその純粋さと無邪気さに魅せられる。
無邪気とはまさに「邪気が無い」と書く。
あらためてその言葉の意味を知らされた気がするのであります。

…………。
……えーと。
……ゲームのレビューを始めます。

作品紹介に書いたとおりこのゲームは「引籠世界の探偵事件簿」シリーズの第2作にして、時系列的には最初の事件となります。もろもろの事情により、わたしは第1作よりもこちらを先に入手することとなってしまったのですが、時系列的に最初であることもあり、それほど違和感なく楽しめました。それでも発売順の方がよいのかも知れませんが。

で、ジャンル的には「本格引き籠もり推理AVG」
すなわちわたしが昔から好きであるにもかかわらず、最近あまり良作を見かけることのできない推理系のゲームである。
その上捜査フェイズ、推理フェイズなるものまであるとなれば、もう買うしかなかったのですよ。

基本的にはストーリーがある程度進むと、捜査フェイズとなり、屋敷の各部屋を移動しながら手がかりを探していく。そして推理フェイズでは、主に捜査中に手に入れたキーワードの中から真相とのつながりの深いものをいくつか選んで、推理がスタートする、といった流れです。

↑ 捜査フェイズの画面

↑ 推理フェイズの画面

感想としては謎はけっこう練り込んである感じです。
少なくとも萌えゲーのおまけ要素的なレベルではないです。
純粋に推理ゲームとして楽しめます。

ただ、難点を挙げるとすれば、推理フェイズでのキーワードの選択が難しい。
というのも、謎自体が難しいのは推理ゲームですから望むところなのですが、明らかにすべき謎はだいたい予測できているのにそれを表すのにどのキーワードを選んだらよいのかがとてもわかりにくいのです。

もちろんこの点にも弁護すべき理由があります。
まず、ヒント機能があるので、わからなくても徐々にヒントを見ていけば何とかなるかな? ということ。
そして、もう一つはこのゲームの特徴としてキーワードの選択によって本筋とは別のおまけ的なエンディングが多数収録されており、明らかに本筋とは無関係と思われるものも含め、いろんなキーワードを試行錯誤しながら選ぶことでエンディングパターンをコンプするという楽しみもあると言うことです。
やりこみ要素といった感じでしょうか?

まあ、わたし個人の好みとしては、素直に推理を楽しみたい、という気持ちの方が強いので、この推理フェイズについてはもう少し違った形の方がよいとは思うのですが。

全体的には、とてもはまりました。
キャラもギャグっぽいものが多く、普段はギャグばかりなのに、決めるところは決めてくれる。まさに笑いあり、涙あり(泣きはしませんでしたが)、そしてアツい展開ありとエンターテイメントとしてなかなかの出来であると思います。

ネタバレ前に未プレイの方向けの総括を

場合によっては途中だれてしまうこともあるかも知れません。
が!
最後までぜひプレイしてください。
シリーズ通して未プレイの方ならば、きっと他の作品もプレイしたくなるはず!

買いですよ?


以下、ネタバレありです。未読の方はご注意を


また、わたしが感心したところがあります。

このゲーム、最終的にはなかなかどうしてトンデモ展開になるのですが、推理自体はぎりぎり現実的なレベルのところで完結させているのです。
これってなかなかのセンスだと思います。

なぜなら、通常最後に非現実的なトンデモ展開がある場合は、その前の謎解きの要素にもその辺が絡んできて、推理が陳腐なものになってしまうものですが(例えば、犯行現場が密室であった理由は、実は犯人がテレポーテーションの能力を持っていたからなのだ!的な)、この作品においては、謎解き自体はあくまでも現実的な論理的思考によってなされながら、そのあとのSF的トンデモ展開へとスムーズにつなげられているのです。

しかもそのトンデモ展開というのは、普通の推理小説に当てはめてみると、犯人が明らかになったあとのドタバタ劇で、あえて言い切ってしまうならばおまけ的要素であることが多い場面なのですが、このゲームの場合は、もう謎解きも終わってしまって真相が明らかになったあとのシーンであるにも関わらず、まさにそのドタバタ劇こそが本当のクライマックスになっているのですね。
実際ここがあって初めてわたしはこのゲームの真の魅力に気付かされた気がいたしますので。

わたしはこれから本来の第1作「マリア様が見てた殺人事件」のプレイを始めるところです。楽しみです!

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